一般企業で看護師をする注意点
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more..]
医療現場からの乖離
病院で働く看護師の場合、夜勤があり生活リズムが崩れてしまうことや土日休みや連休が少なくプライベートが充実させづらいなどの悩みがあります。その点一般企業で働く企業看護師は、夜勤もなく日勤帯だけですし、週休2日土日休みのところがほとんどです。そのため、病院で働く看護師から企業看護師に転職する人が増えています。
確かに企業看護師は、勤務体制だけを考えると病院などの医療施設で働く看護師よりも恵まれていると言えるでしょう。でも一般企業で看護師をする場合、注意点やデメリットもあるんです。
まず一つ目の注意点は、医療の現場から離れてしまうということです。一般企業で働く企業看護師は、病院で働くわけではありません。治験コーディネーターやクリニカル・コーディネーターは業務で病院に行くことはありますが、そこで患者さんに接するわけではありません。医療は日々進歩しており、看護師は一生勉強をしなければならない職業と言われています。そのため一度医療現場を離れると、再び病院で働こうと思った時に自分の技術や知識が古くなっていたり、わからないことが増えていたりとショックを受けることも多く、病院での仕事がなかなかうまくいかないこともあるでしょう。
達成感の欠如
二つ目のデメリットは、仕事の達成感を得にくいということです。病院での看護師の仕事は、担当の患者さんが退院するなどのわかりやすい目標があり、その目標も比較的達成しやすいものです。仕事での達成感を得やすいということは、その仕事にやりがいを感じることにつながります。やりがいを感じることは、仕事を続けていく上でのモチベーションとなるでしょう。
しかし企業看護師の場合、病院の看護師と比べて仕事の達成感を得にくいのです。企業看護師の仕事である社員全員の健康管理や治験のサポート、自社製品のレクチャーは確かに医療業界全体から見ると、とても重要な役割を担っているのですが、直接患者さんに接するわけではないので、病院の看護師時代と比べて、やりがいを感じることができない人が多いようです。そのため自分で細かく目標設定をして、それを達成していくということが必要になってきます。
このように一般企業で働く企業看護師は、良いことばかりではありません。「休日が多いから」、「夜勤がないから」などの理由だけで企業看護師への転職を希望するのではなく、企業看護師の注意点やデメリットもしっかりと考慮した上で、転職するかどうかを決めましょう。
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