給料ダウンを避ける!ブランクあり看護師の給料と年収アップの5つの方法
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more..]
ブランクがある看護師が再就職するにあたって心配なことは「給料」に関することだと思います。
ブランクがあることで、「給料はどうなってしまうのか?」せっかく思い切って再就職するのですから、給料は少しでも高いほうが良いですよね。
ブランクがある看護師が再就職すると、一般的には以前よりも給料はやや下がってしまうことが多いです。
しかし実は、給料をアップさせる方法もあります!
ブランクがある看護師が高い給料を得るためには、次の5つの方法を実践しましょう。
- 経験年数を評価してもらえる職場へ再就職する
- ボーナスの支給実績が多い職場へ再就職する
- 仕事を頑張って再評価してもらう
- 仕事に役立つ資格を取得する
- 給料が高い職場へステップアップする
「ブランクがあるから、給料が安くても仕方がない」と諦めずに、給料アップを目指していきましょう!
1.ブランクがあっても看護師は給料が高い
ブランクがある看護師が、再び看護師として働く理由には、「看護師の仕事が好きだから」というもの以外に、「経済的な理由」もある人が多いと思います。
- 出産で看護師の仕事を辞めて、子育てに専念してきたけれど、予想以上に教育費がかかる。
- 親の介護のためのお金が必要。
- シングルマザーになったから働かなくてはいけない。
このような経済的な理由で働く必要がある場合、ブランクがある看護師には、
- 看護師免許を活かして働く方法
- 看護師以外の仕事に就く方法
の2つの選択肢があります。
ブランク期間が長い人は今さら看護師として働けないから、「スーパーのレジなど普通の仕事をしようかな…」と考えるかもしれません。
でも、たとえブランクが長くても、看護師免許を持っているなら、看護師として働くべきです。
と言うのは、ブランクがあっても看護師免許があれば、お給料が高いからです。
厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は480万円です。
国税庁の「平成27年分民間給与実態調査結果」では、民間サラリーマンの平均年収は420万4000円、女性に限定すると276万円です。
ちなみに、パートの場合の看護師の平均時給は1696円で、スーパーのレジ係の平均時給は907円です。(「平成28年賃金構造基本統計調査」)
この差を考えると、ちょっとくらい大変でも、ブランクがあっても看護師として働こうと思えるのではないでしょうか?
しかも、看護師なら、40歳になっても50歳になっても常勤採用してもらえますが、看護師以外の仕事だと40代以上で経験がない人は正社員での雇用は非常に難しくなります。
ブランクがあっても看護師は給料が高いのですから、看護師として再就職すべきでしょう。
2.ブランクがある看護師は以前よりも給料は安くなる傾向
ブランクがある看護師は、看護師として再就職したほうが、看護師以外の仕事をするよりも間違いなく給料は高くなります。
ただ、再就職後の給料は、ブランク前の給料よりも下がってしまうことが多いのです。
希望給与額との差
「都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査」(PDF)
このグラフはブランクがある人に限ったものではなく、各都道府県の看護協会のナースセンターを利用して再就職した看護師全体のデータです。
ブランクがない現役看護師でさえも、再就職すると給料が下がってしまうことがあるのです。
ブランクがない現役看護師も給料が下がるなら、ブランクがある看護師が再就職すると、給料が下がるのは仕方がないことだと思いませんか?
ブランクがある看護師は看護知識や技術をすっかり忘れていて、プリセプターを付けるなどの指導が必要になることが多いです。
そのため、現役看護師と同じような働きを期待することはできないので、ブランクがある看護師が再就職すると、以前よりも給料が下がってしまうケースがあります。
もちろん、「どんな職場に再就職するか」、「常勤にするか非常勤にするか」などで、給料は大きく変わってきますから、ブランクがある看護師が再就職すると、絶対に給料が下がると断言できるわけではありません。
ただ、再就職する時には、給料はある程度下がるのは仕方がないことと覚悟しておくようにしましょう。
それでも、一般的な仕事をするよりは給料は高いですので、安心してください。
また、このデータは看護協会のナースセンターを使って再就職したケースのものです。
ナースセンターではなく、民間の転職サイトを使えば、非公開になっている高待遇の求人を紹介してもらえますし、専属のコンサルタントが給料ほか、条件の交渉をしてくれます。
そのため、再就職して給料が下がる可能性は少なく、むしろ上がる可能性が高くなるのです。
3.ブランクがある看護師が高い給料を得る5つの方法
ブランクがある看護師が、少しでも高い給料を得るためには、次の5つの方法を実践してください。
- 経験年数を評価してもらえる職場へ再就職する
- ボーナスの支給実績が多い職場へ再就職する
- 仕事を頑張って再評価してもらう
- 仕事に役立つ資格を取得する
- 給料が高い職場へステップアップする
再就職にあたってこの5つの方法を実践すると、「ブランク前に比べて給料が大きく下がってしまった!」という事態を避けることができますし、再就職後に給料を上げることができます。
看護師が確実に高収入を得るためには、本来なら、大学病院や大きな総合病院で働くべきです。
基本給は高めだし、各種手当は充実していて、ボーナスもたっぷりなことが多いですから。
でも、ブランクが3年未満など短い看護師さんならともかく、それ以上長い看護師にとっては大学病院や大きな総合病院はとてもハードルが高い再就職先です。
仕事についていけずに再就職したことを後悔する可能性があります。
そのため、ここでは大学病院や大きな総合病院に再就職する以外で、高い給料を得る5つの方法をご紹介します。
3-1.経験年数を評価してもらえる職場に再就職する
ブランクがある看護師が再就職する時には、経験年数をすべて評価してもらえる職場を選びましょう。
経験(年数)に対する給与の評価
「都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査」(PDF)
このデータは、ブランクがある看護師だけでなく、都道府県ナースセンターを通じて、転職・再就職したすべての看護師のデータですが、経験年数をすべて評価してもらえたのは、19.2%しかいません。
経験年数を全く評価してもらえなかったのは、26.0%です。
経験年数をすべて評価してもらえれば、基本給はそれだけ高くなりますが、全く評価してもらえなければ、新人看護師と同じ給料からのスタートになります。
ブランク期間が長い看護師の場合、スキルが衰えているというマイナスポイントがありますので、経験年数をすべて評価してもらうのは難しいかもしれません。
それでも、できるだけブランク前の経験年数を評価してもらえる求人を選ぶようにしましょう。
3-2.ボーナスの支給実績が多い職場に再就職する
ブランクがある看護師が再就職して高収入を狙うなら、ボーナスがたっぷりもらえるところを選びましょう。
経験年数を評価してもらえず、基本給が低めになっても、ボーナスがたっぷり出る職場なら一気に年収はアップします。
ボーナスがたっぷり出るところと言えば、先ほど少し触れた大学病院や大きな総合病院ですが、精神科病院や有料老人ホームの中にも、ボーナスが多めで4〜5ヶ月分出るところがあります。
基本給が新卒看護師と同じ20万円だとしても、ボーナスが5ヶ月分出るところなら、ボーナスだけで100万円になるんです。
ボーナス2ヶ月分だったら、たったの40万円です。その差は、60万円。とても大きいですね。
もちろん、ボーナスはその年の経営状態によって支給額は異なります。
でも、医療施設や介護施設はよほど大きなトラブルがない限り、経営は安定していることが多いので、前年度のボーナス支給実績を見て、ボーナスがたっぷりもらえるところに再就職すると良いでしょう。
ブランクがあると、基本給は低めかもしれませんが、ボーナスはブランクも経験年数も関係なくもらえるものですから、ブランクがあっても高収入を狙いたい人は、ボーナスにこだわることをおすすめします。
3-3.仕事を頑張って再評価してもらう
ブランクから再就職したら、仕事を頑張って、早く昔の勘を取り戻しましょう。
入職後に給料の再評価がある職場の場合、その職場の戦力として認められれば、給料がアップする可能性があります。
給与の再評価
「都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査」 (PDF)
再就職後に給料の見直し・再評価があった人や予定がある人は4分の1以上もいます。
給料の再評価があるということは、「この人、ブランクがあるけれど、仕事ができるから、給料を上げても良いかな?」と思ってもらえるチャンスがあるということです。
だから、給料の再評価がある職場に再就職したら、仕事を頑張って早く覚えて、早くその職場の戦力になれるようにしましょう。
ブランクを感じさせない働きを見せれば、給料の再評価の時に給料を上げてもらえるでしょう。
3-4.仕事に役立つ資格を取得する
ブランクがある看護師が、給料をアップさせるには、仕事に役立つ資格を取得しましょう。いわゆるキャリアアップです。
キャリアアップをしても、直接給料アップには結び付かないことも多いですが、それでも昇進のしやすくなったり、資格手当がつくこともあります。
看護師のキャリアアップは、認定看護師や専門看護師だけではありません。もっと簡単に取得できる資格もあります。
汎用性が高くどこの職場でも役立つ人気の資格には、次のようなものがあります。
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 日本糖尿病療養指導士
- 認知症ケア専門士
- 栄養サポートチーム専門療法士
ブランクから再就職して、看護師の仕事に慣れてきたら、できる範囲でキャリアアップしていくと良いでしょう。
次で詳しく説明しますが、キャリアアップすると、その資格はあなたの武器になりますので、将来的な給料アップにつながることもあるのです。
3-5.給料が高い職場へステップアップする
ブランクがある看護師が給料をアップするには、再就職した職場からステップアップするのも良いでしょう。
再就職した職場で数年働いてから、もっと好条件の職場に転職すれば、給料がアップします。
ブランクがあるというのは、再就職するためにはマイナスポイントになりますので、期待通りの好条件の職場に再就職するのは難しい時もあるでしょう。
でも、再就職後の職場で2〜3年頑張れば、ブランクというマイナスポイントは消えますので、より給料が高く、人気の求人でも採用されやすくなるのです。
ブランクがあると、いきなり高収入を狙うのは難しいのが現実でしょう。
やはり、採用側としては、ブランクがある看護師よりも現役看護師を採用したいと思うものですから、人気の求人に採用されるのは大変です。
でも、「ブランクがあるからずっと給料が低い」というわけではありません。再就職してからステップアップしていけば、給料アップができます。
ステップアップするためにも、仕事に役立つ資格を取得して、キャリアアップしておくことは大切ですよ!
また、少しでも給料が高いところへ再就職したい看護師の方は、看護師専門の転職サイトを使って求人を探してみてはいかがでしょう。
先ほども少し触れましたが、転職サイトでは原則非公開となっている高待遇の求人を紹介してくれますし、あなた専属のコンサルタントに給料などの交渉もしてもらえます。
さらに、コンサルタントに「経験年数を評価してもらえるか」、「入職後に給料の再評価はあるか」なども調べてもらえます。
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