救命救急センターとは?その特徴
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more..]
救命救急センターとは?
日本の救急医療は、初期救急、二次救急、三次救急に分かれています。初期救急は、入院の必要がなく外来診療のみで対応できる比較的軽症の患者さんを診療し、二次救急は入院治療を必要とする中等症の患者さんを診療しています。三次救急が二次救急では対応できない重篤で生命の危険がある患者さんを受け入れています。この三次救急の医療施設が救命救急センターです。
救命救急センターは、現在全国で200ヶ所以上ありますが、原則24時間体制で患者さんを受け入れなければならず、100万人に対し最低1ケ所は設置されていて、地域における救急医療の要的な存在になっています。また生命の危険がある重篤・重症な救急患者さんに高度な医療を提供するため、人工心肺装置や人工呼吸器など最新の医療機器が揃っているのも特徴です。
最近では、さらに高度な救急医療を提供する高度救命救急センターや新型救命救急センター、地域救命救急センターなど細分化されてきています。また、ドクターヘリ導入など救急医療の整備が進んでいます。
救命救急センターの特徴
救命救急センターには、様々な疾患の患者さんが運ばれてきます。急性心筋梗塞や脳卒中はもちろん、原因不明の心肺停止や意識障害、交通事故による多発性外傷や全身熱傷など一刻を争うような患者さんが多く、診療科も救命科以外にも心臓外科、脳外科、整形外科、循環器内科などたくさんの診療科が治療に参加する場合があります。
救命救急センターと看護師の役割
救命救急センターの看護師の仕事は、医師の診療の補助、清潔ケアや口腔ケア、体位変換などの日常生活援助、全身管理を行い異常の早期発見と医師への報告などがあります。多くの患者さんが意識不明だったり、全身管理目的で鎮静剤の投与をしているため、患者さんとコミュニケーションを取ることができないことや、治療の甲斐なく亡くなってしまう患者さんも多いことが他の一般病棟との大きな違いです。ですが、医師や他の医療スタッフとの協力により、生命の危機にあった患者さんを救えた時の達成感ややりがいは、救命救急センターでないと感じられないものかもしれません。
また、患者さんのご家族のケアも重要な仕事です。救命救急センターに運ばれてきた患者さんのご家族は、みんな突然のことで動揺している方が多く、医師からの病状の説明も聞けるような状態でない場合もあるので、今後の患者さんの治療方針を決めるためにも家族の精神的なケアは救命救急センターで働く看護師の大切な役割です。
近年は、救命救急センターを舞台にしたドラマも多いので、看護師には人気のある部署になっています。倍率は高いかもしれませんが、救命医療・看護に興味のある方は、救命救急センター配属を希望してみてはいかがですか?
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