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国立病院機構と公立病院の違いと各々の特徴

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国立病院機構と公立病院の違いと各々の特徴

[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more..]

「国立病院」は存在しない?

国立病院や公立病院で働きたいと思っている看護師さんは多いと思いますが、実は厳密な意味での国立病院は、現在の日本には存在しないことを知っていますか?

 

厳密な意味での国立病院は、現在の日本には存在しません。

 

国立病院とは、国が直接運営する病院のことですよね。日本の場合は、厚生労働省直轄の病院が国立病院となります。

 

でも、現在の日本には、厚生労働省直轄の病院はありません。国立ハンセン病療養所は厚生労働省直轄になりますが、「療養所」であって「病院」ではないんです。

 

ただ、「国立○○病院」という名前の病院は存在しています。ここがややこしいところなんですが、「国立病院」という名称でも、厚生労働省直轄ではないのです。

 

確かに、2004年3月までは国立病院は厚生労働省直轄の本当の意味での「国立病院」でした。でも、2004年4月からは「国立病院機構」という特定独立行政法人となり、厚生労働省の直轄ではなくなったのです。

 

さらに、2015年4月からは非特定独立行政法人となっていますので、国立病院という名称は残っているものの、さらに民間色が強くなっています。

 

国立病院機構と公立病院の違いと看護師への影響

国立病院機構と公立病院の違いについて考えてみましょう。国立病院機構と公立病院の最大の違いは、やはり運営母体です。

 

国立病院機構は先ほどもお話したように、厚生労働省ではなく、非特定独立行政法人「国立病院機構」が運営しています。

 

公立病院の運営母体は、地方自治体です。各都道府県や市町村が運営する県立病院や市立病院、市民病院などが公立病院になります。

 

では、ここで独立行政法人とは何かを確認しておきましょう。独立行政法人とは、もともとは厚生労働省や文部科学省、地方自治体の直轄だった部門を、活性化・効率化のために法人格を与えて独立させたものです。

 

運営母体が独立行政法人と地方自治体では、そこで勤める看護師にどんな影響が出てくるのでしょうか?

 

運営母体の違いによる看護師への影響は、公務員か否かという点です。あなたが国立病院や公立病院で働こうと思った理由の中には、「国立病院や公立病院で働けば、公務員になれるって聞いたから!」という理由があると思います。

 

運営母体が地方自治体である公立病院で働けば、確かに地方公務員になることができます。でも、非特定独立行政法人である国立病院機構で働いても公務員になることはできないのです。

 

また、県立病院や市立病院という名称でも、自治体直轄ではなく、一般地方独立行政法人になっているところもあり、国立病院機構と同様にそこで働いても公務員になることはできません。

 

ちょっとややこしいので、一覧表を作ってみました。

 

運営母体

病院例

公務員か否か

厚生労働省直轄 国立ハンセン病療養所 国家公務員
都道府県・市町村直轄 公立病院 (都道府県立病院や市町村立病院) 地方公務員
非特定独立行政法人 国立病院機構、国立高度専門医療研究センター、国公立大学付属病院 非公務員
特定地方独立行政法人 山梨県立病院機構、三重県立総合医療センター 地方公務員
一般地方独立行政法人 宮城県立こども病院、大阪府立病院機構など 非公務員

 

ここで注意しなければいけないのは、「県立病院」という名前でも自治体直轄で地方公務員になるもの、特定地方独立行政法人で地方公務員になるもの、一般独立行政法人で非公務員のものの3種類があることです。

 

また、先ほども説明しましたが、国立ハンセン病療養所は、厳密には病院ではありませんが、厚生労働省の直轄で残っています。

 

そして、厚生労働省直轄ではなく例外的なものになりますが、防衛省直轄の自衛隊病院や防衛医科大学校病院、宮内庁直轄の宮内庁病院も国立病院の一種になります。

 

国立病院機構や一般地方独立行政法人の病院は公務員になることはできなくても、もともとは厚生労働省や自治体の直轄の病院でしたので、公務員と同じような待遇を受けることはできます。

 

国立病院機構の特徴は?

国立病院機構は、全国に143の病院がありますが、ほとんどがその地域の中でもっとも高度な医療を行っている急性期の総合病院で、地域医療を支えている中核病院として位置づけられています。

 

また、国立病院機構は医療を提供するだけではなく、医療に関する調査や研究、また医師や看護師などの医療技術者の育成、研修なども積極的に行っていて、国の直轄ではないものの、国の医療政策を推進するための根本を担う存在であると言えるのです。

 

公立病院の特徴は?

公立病院も国立病院機構と同じように、その地域の医療を支える中核病院であることが多いのですが、公立病院は国立病院機構よりもバラエティに富んでいるという特徴があります。

 

国立病院と同じように高度で最先端の医療を行っている急性期の総合病院もありますし、リハビリ専門病院や療養病床を持つ公立病院もあるんです。

 

そのため、公立病院はその地域の医療ニーズを満たすための病院であり、地域に密着した医療を提供している病院であると言えるでしょう。

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