クリニックで働く看護師の平均給料について Mさんによるルポ
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more..]
はじめに
私の働く病院は、周辺地域のクリニックや施設と連携した地域医療連携に積極的に取り組んでいます。慢性期医療を主に対象としているので、様々な障害を持った高齢者が多く、病院以外でのフォローアップが重要と考えているからです。
このような体制のためか、様々なクリニックで働く看護師とも顏なじみとなりやすいのですが、その中には、当院へと転職してくる看護師と出会うことも少なからずあります。
転職の理由は様々あるようです。たとえば、以前の職場での人間関係で何らかの不安要素が出てきたから、当院の雰囲気を気に入ったから、病院でスキルアップを望みたいから、そして、給料が良かったから…。以下に記載することは、これらの転職してきた看護師から話を聞いた内容を参考としています。
病院とクリニックとの違い
私がクリニックの勤務に対して持つ第一印象は、夜勤はなく日勤だけであり、決まった日時に休みが取れる、給料が少ない、ということです。実際に、多くのクリニックには夜勤はありませんし、休診日には確実に休みが取れます。ただし、給料については一概には言えないようです。
夜勤がなければ夜勤手当もありません。病院で勤務していると、この夜勤手当や残業手当の多少が給料の金額に大きな影響を与えます。夜勤をすればするほど、残業をすればするほど、その月の給料は少なからず増えます。そのため、「夜勤が全くないクリニックで働く看護師は、夜勤手当がないのだから安いだろう」というのが私の考え方でした。
たしかに、クリニックに勤めた経験のあるうちの一人は「病院で働いてから収入が安定した」と言います。しかし別の一人は「病院で働いてから給料が減った」と言います。この違いは大変不思議でしたので、双方からそれぞれ詳しく話を聞いてみることにしました。
クリニックの給料とは
その結果、クリニックの給料の違いにかかわる要素として、経営者の采配による違い、手当の充足による違いという点が挙がりました。
まず、経営者の采配というのは、つまり経理を担当している方々によって、各クリニックの給料に差が大きく生じていたり、また、収益の状況によって翌月等から給料が減額されたりする場合のことです。また、経験年数による増額の有無にもかなりの差があるそうです。
そして、手当の充足については、主に残業代などがどれほどもらえるかどうかのことです。これは残業代のおおもとの金額も関係していますが、それ以上に、そのクリニックでの残業時間がどれほど認められるかが大きいようです。
今回、3名の看護師から個別に話を聞いたところ、おおよその年収は260〜340万円という結果となりました。
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