脳神経外科の選び方、向き不向き、給料のアップ方法
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more..]
脳神経外科に向いている看護師
脳神経外科に向いているのはどんな看護師さんでしょう?
脳卒中を発症した直後やオペ後など超急性期の患者さんは、いつ急変してもおかしくない状態です。特に、くも膜下出血は発症後1ヶ月以内に約50%が再出血すると言われていて、最初の出血で一命を取り留めても、再出血が原因で死亡するというケースも珍しくありません。
そのため、脳神経外科(特に超急性期)で働く場合、患者さんの急変にいち早く気がつくためにも、観察が非常に重要になります。日頃から患者さんをしっかり観察していれば、「いつもと違う」、「なんとなく急変しそうな気がする」などの直感が働きますよね。
観察が重要なのは、脳神経外科だけでなくほかの診療科全般にも当てはまりますし、観察は看護の基本中の基本ですが、脳神経外科では特に重要となりますので、観察が得意な人、忙しい業務の中でもしっかり観察ができる人は脳神経外科向きの看護師さんと言えるでしょう。
また、脳神経外科の患者さんは、同じ疾患名でも症状や予後が全く違ってきますので、患者さん一人ひとりの症状や状態に合わせた看護をしなければいけません。そのためには、患者さんの嗜好や趣味などを参考に、看護師自身が創意工夫をしながら看護計画を立てる必要がありますので、「考えることが好き」、「工夫が得意」という看護師さんも脳神経外科向きです。
また、脳神経外科は超急性期からリハビリ期まで様々な患者さんの看護をすることができますので、急性期だけでなく慢性期・リハビリ期の看護を学びたいという人は脳神経外科がおすすめです。
どんな脳神経外科がおすすめ?
脳神経外科への転職を考えている人は、どんな脳神経外科を選ぶべきでしょう?
先進的で高度な治療が行われていて、超急性期を重点的に看護したい、勉強したいという人は、脳卒中センターのある総合病院が良いでしょう。脳卒中センターは地域の脳卒中疑いのある患者さんが集中して搬送されてきますので、様々な症例を看ることができ、脳神経外科での貴重な経験を積むことができます。
また、超急性期からリハビリ期、在宅に至るまでトータル的な看護を経験したいという人は、脳神経外科専門の病院をおすすめします。
このほか、総合病院の脳神経外科病棟や外来、脳神経外科のクリニック、脳神経外科のリハビリ期・慢性期を専門とする病院などがありますので、脳神経外科でどのような看護をしたいか、何を学びたいかによって、自分に合ったところを選ぶと良いでしょう。
脳神経外科の給料と給料アップの方法
脳神経外科で働くと、お給料はどのくらいもらえるのでしょう?
脳神経外科特有の手当などはありませんので、ほかの診療科と大きな違いはなく、外来やクリニックなど日勤のみの勤務の場合で月給20〜25万円、夜勤ありの病棟勤務の場合25〜30万円程度が平均となっています。ただ、脳神経外科専門病院のICUに配属となった場合、夜勤回数が増えますので、その分お給料が良くなることはあります。
平成24年度の看護師の平均年収は470万9700円ですので、この年収をひとつの目安として、転職先のお給料を比較してみると良いでしょう。
脳神経外科で給料をアップさせるには、とにかく専門的な知識やスキルを身につけることが重要です。もし、可能であれば脳卒中リハビリテーション看護や摂食・嚥下障害看護など脳神経外科の分野で役立つ認定看護師の資格を取ることをおすすめします。
専門的な知識やスキルを身につければ、それだけ職場に貢献できますので、お給料が上がりやすくなります。また、転職する際には、それまでの経験やスキルが考慮されてお給料が決まりますので、専門的な知識やスキルがあれば転職に有利になり、以前の職場よりも高いお給料をもらうことも可能です。
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