産婦人科の適性、必要なスキル、職場の選び方と給料アップの方法
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more..]
産婦人科に向いている人、必要なスキル
産婦人科で働くための必要なスキルは、精神的なタフさです。
現代の日本では「出産は安全なもの、母子共に健康」ということが当たり前という認識が広がっていますので、妊娠・出産期に何かトラブルが起こると、妊婦さんや家族にとってはショックが大きく、場合によっては訴訟問題にまで発展することもあります。
また、不妊治療や婦人科領域でも女性特有のデリケートな部分を扱うことが多く、患者さんへの配慮は一般的な診療科よりも必要とされます。
産婦人科の看護師は、どのような状況下でも患者さんやその家族の精神的なケアを最優先していくことが求められます。精神的なケアの内容がデリケートなものであればあるほど、看護師の精神的な負担は増えていくので、産婦人科の看護師は精神的にタフであることが必要なんです。精神的なタフさを維持するためにも、自分なりのストレス発散方法を持っていると良いですね。
ただ、精神的に大変な職場ではありますが、女性特有の問題に直面している患者さんに共感し、寄り添って看護していくことでやりがいを感じることができるでしょう。
そのため、患者さんに寄り添った看護をしたい、精神的なケアを重要視した看護をしたいという人は産婦人科に向いていると言えます。
もちろん、出産という生命の誕生に携わりたい、赤ちゃんが好き、女性だからこそ女性科はおすすめです。
どんな産婦人科がおすすめ?
産婦人科で働くことを希望した場合、どんな産婦人科を選べば良いのでしょう?
大学病院や総合病院など
まず1つ目は、大学病院や総合病院などの産婦人科です。大規模の病院であればあるほど、最先端で高度な医療を行っています。産婦人科領域の最先端の医療の中で働きたいという人は、大学病院や総合病院を選ぶと良いでしょう。ただ大規模病院の場合、助産師の資格がない人は、産科に配属されにくい、配属されてもあまり分娩に関わらないという場合もあります。
個人病院やクリニック
2つ目が個人病院やクリニックです。個人病院やクリニックは、産科専門のところ、婦人科専門のところ、産科・婦人科の両方を扱っているところがありますので、自分の興味に合わせて選びましょう。
通常のクリニックは入院設備がありませんが、お産を扱うクリニックは入院設備があります。つまり、夜勤に入らなくてはいけないこともありますので注意しましょう。また、最近「産科」を看板に掲げていても、お産は取り扱ってないところが増えてきていますので、分娩に携わりたいという人は気をつけて下さい。
産科クリニックの中には、LDR室を兼ね備えているのはもちろんですが、それ以外にもホテルのような病室、レストランのようなフルコースの食事、アロマセラピーを用いたケア、産後入院システムなどを兼ね備えた豪華なクリニックも出てきています。そして、近年は不妊治療専門の産科クリニックが急増中です。
このように「産婦人科」と言っても様々なタイプがあり、細分化されていますので、どのような看護をしたいか、どんな分野に興味があるかを考えてから、どの産婦人科に転職するか決めないと、入職後の「こんなはずじゃなかった」という失敗につながりますので、転職の際は注意しましょう。
産婦人科の給料と給料アップ方法
産婦人科の給料は、はっきり言って千差万別です。一般的なクリニックや外来であれば、ほかの診療科と同様に月給20~25万円程度で、総合病院などの病棟勤務は25~30万円が相場となっています。
ですが、ホテルのようなサービスが特徴の病院やクリニックでは、看護師の接遇やマナーに厳しいですが、その分給料が高く、月給40万円程度のところもあります。自由診療を行っている不妊治療専門のクリニックも同様です。産婦人科に転職して給料アップを狙うなら、そのような病院やクリニックを選ぶと良いでしょう。
また、助産師の資格を取って、キャリアアップすることで給料アップを狙うという方法もあります。助産師の資格を取るには、1年間助産師養成学校で学ぶ必要がありますが、産婦人科の中には奨学金など助産師資格取得のための支援制度があるところもあります。
助産師の資格を取得すれば、看護師よりも月給が5万円以上高くなるところも多いですので、今後も産婦人科で働いていくつもりである人は、助産師資格の取得を目指してみても良いと思います。
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