外科に勤務する看護師の適性とスキル、給料アップの方法
[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more..]
外科に向いている人、必要なスキル
これらの知識や技術は、看護師として基本的な部分であり、内科ではなかなか身につけられないものですので、急性期ならではの看護知識・技術を身につけたい人は外科で働くことをおすすめします。
また、外科は部屋持ちをしながらオペ前後の患者さんを受け持ちます。オペ出し、オペ戻りがある日は、突発的なことも多く、とても忙しくなります。そのため、業務内でしっかり優先順位をつけて仕事をしないと、「緊急性の高い仕事が終わっていない」、「どれから手を付けて良いかわからない」などの事態に陥ります。
それに加えて、オペ後の患者さんは急変も多く、術後合併症を併発することがありますので、それを未然に防ぐための観察力も要求されます。
「すぐに優先順位をつけられること」、「観察力」の2つが外科で働く上で特に必要なスキルと言えるでしょう。
外科は体育会系でテキパキ働くけどコミュニケーションが苦手、内科は文科系でおっとりしている人が多いけどコミュニケーションが上手、と言われることが多いですが、外科だってオペ前の患者さんや家族の精神的ケア等でコミュニケーション能力は必要ですし、内科でも忙しくテキパキと働かなくてはいけないことも多いのが現実です。
そのため、コミュニケーションが苦手だから外科という選び方はせず、「どんな看護をしたいか」、「どんなスキルを身につけたいか」、「どんなことに興味があるか」などを基準にして選ぶようにしましょう。
どんな外科がおすすめ?
大学病院や大きな総合病院の場合、「外科」と言っても脳外科、整形外科、消化器外科、形成外科、心臓血管外科など細分化されていますので、一般外科や外科全般を扱うところで働く場合、小規模の病院や個人病院を選ぶことになります。
「一般外科」や「○○外科」となっていて基本的には外科全般を取り扱う病院でも、そのドクターの専門分野によって消化器外科が中心だったり、脳外科が中心だったりと、病院ごとに取扱いの多い疾患の傾向がありますので、興味のある分野を選ぶと良いでしょう。
また、クリニックや外来は、どこでも簡単な縫合程度の軽い外傷や手術後のフォローアップの患者さんが多いのですが、病棟で働くことを希望する場合は、その病院の手術件数に注目しましょう。
小規模病院の場合、病院によって手術件数が大幅に異なり、毎日数件の手術をしているところもあれば、手術はほとんど行わないところもあります。オペ前後の看護を学びたい人にとっては、せっかく外科に転職しても、その病院の手術件数が少ないと転職した意味がありませんし、手術件数が多ければ多いほど忙しい傾向にありますので、手術件数は外科を選ぶ上で大きなポイントになります。
外科の給料と給料アップ方法
ただ一般外科は、小規模病院や個人経営のクリニックが多いですが、小規模病院等は大規模病院に比べて給料が安めに抑えられている傾向がありますので、平均より安くなってしまうかもしれません。
外科での給料アップ方法は、やはり転職の際に、基本給が高い、ボーナスの支給実績が良いなど高待遇の職場を選ぶことです。特に、小規模病院やクリニックは昇給が少ないですので、昇給を期待するより、最初の待遇が良いところを選んだほうが良いでしょう。
また、外科に転職した後、たくさんの経験を積み、スキルアップすることも給料アップにつながります。一般外科は外科全般の患者さんを看ますので、一般外科で経験を積めば、その後に専門的な外科(脳外科や消化器外科等)に転職してもその経験を十分に生かすことができます。外科での経験が豊富であれば、次の転職の際の大きな武器となるはずです。
看護師の給料のことは【看護ラボ】 TOP>>