看護師の公務員としての年収
看護師が公務員?
看護師が公務員として働くことができる代表的な職場は、公立病院です。公立病院とは、市立病院や県立病院などですね。市立病院や県立病院で働くと地方公務員になります。
もちろん、公立病院で働くためには採用試験や面接を受けなければいけませんが、公務員採用試験は教養試験と専門試験に分かれていて、何科目も受験しなければいけませんので、それと比べると看護師の採用試験は、一般的な病院の採用試験と変わりませんので、公務員になるハードルは低くなっています。
(2015年4月1日より国立病院機構は非特定独立法人へ変更になり、看護職員の身分は非公務員になりましたので、国立病院機構を削除し、記事内容を一部訂正しました。)
公務員としての給料は?
看護師が公務員になると、安定感は抜群ですが、気になるのは給与面です。いくら安定していても給料が安かったら、働くためのモチベーションは下がりますし、お給料の良い私立の病院で働いたほうが良いですよね。
2010年の職場別看護師平均月給のデータによると、県立や市立などの公立病院は37万9916円、国立病院機構が35万1477円、公的病院(日本赤十字病院や労災病院等)が35万4011円、医療法人が30万7084円、個人病院が29万2539円となっています。
このデータを見ると、私立の病院よりも公立病院の給料が良いことがわかりますね。このデータを基に県立や市立病院の看護師の平均年収を計算してみましょう。
月収が約38万円ですので12か月分だと456万円になります。また、夜勤手当などの諸手当を10万円とすると、基本給は28万円になります。2013年の公務員のボーナスは3.51ヶ月分ですので、ボーナス額は98万2800円となり、年収は456万円+98万2800円で554万2800円と推計できます。
平成24年度の看護師の平均年収は470万9700円ですので、公立病院で働けば平均より83万円以上も年収が高いことになります。1年で83万円の差は、とても大きいですね。
ただ、地方公務員の場合は、その病院を運営する自治体によって給料が全く違ってきて、民間の病院よりも年収が低い場合もありますので、事前にしっかりリサーチしておきましょう。
公務員になるメリット
公務員として働く最大のメリットは、上記でもご説明したとおり、給料が良いことが挙げられます。また、看護師はいつの時代でも需要があり安定している職業ですが、看護師でさらに公務員となれば、安定性はより高くなります。
さらに、公務員のメリットは、福利厚生が充実していることです。公務員の年金が高いのは、よく知られていることですよね。長年公務員として働けば、定年退職後も経済面で不自由することなく、安定した老後を送ることができるでしょう。
また、公務員は育児休暇を最長3年間取得することができます。民間の病院は1年間しか取得できないところも多いですし、規則として3年間取得可能としていても、実際は1年で復帰せざるを得ないことも多々あります。
その点、公務員は民間の病院と比べて、育児休暇を長期間取得しやすいので、出産後しばらくは育児に集中したいという看護師さんにとっては、公務員として働くことは大きなメリットになりますね。
公務員になるデメリット
では、公務員になるデメリットにはどんなものがあるのでしょう?一般的にも公務員は人気の職業ですので、大きなデメリットはありません。
唯一のデメリットとしては、雇用保険に加入していないため、辞めた後に失業手当が支給されないことです。民間の病院だと、雇用保険に加入しているため、退職後に失業手当を受給することができます。
自己都合の退職ですと、退職後3ヶ月間は受給できないという制限がありますが、体調不良や病気が理由で退職した場合は、受給制限はありません。
看護師はハードな仕事ですから、体調を崩してしまい、退職を余儀なくされてしまう可能性もありますよね。その場合、公務員だと失業手当を受け取ることができないので、損をしてしまうのです。
また、公立病院の場合、病院によっては施設や医療設備の老朽化が進んでいるところも多いですし、「お役所的な体制」で融通が利かないこともあり、そういう点では働きにくいと感じるかもしれません。
公務員の求人情報はどこで探す?
では、看護師の求人はどこで探せば良いのでしょう?公立病院は人気が高いですし、民間の病院と比べて数も少ないので、常に求人が出ているとは限りませんし、求人数にもムラがあります。
もし、働いてみたい公立病院があれば、その病院のホームページをチェックしてみましょう。求人があれば、看護師募集要項が掲載されているはずです。また、運営する自治体に直接問い合わせてみるのも良いでしょう。
また、「特に希望の病院はないけれど、公立病院で働きたい」、「少しでも待遇の良い病院で働きたい」という場合は、看護師専門の転職支援サイトを利用することをおすすめします。
転職支援サイトが公立病院の求人を扱っているのは、少し意外ですよね。転職支援サイトによっては、多数取り扱っているところもありますので、じっくり探してみると、希望に合った求人が見つかるかもしれません。